※本記事は、運用型広告の支援を行う株式会社シンビが、自社の見解として作成しています。Google広告を中心に、2026年10月2日時点のGoogle広告ヘルプにもとづいて説明します。
この記事のポイント
結論:スマート自動入札では、曜日・時間帯の入札単価調整は使われず、効くのは「配信するかしないか」だけです。次の順で判断します。
- 入札戦略で、使える調整を確かめる
- 自動入札なら、データ以外の止める理由があるかを考える
- データで判断するなら、差がはっきり大きいかを見る
- 曜日で止めているなら、月の費用が増えていないかを確かめる
曜日・時間帯で、何を調整できる?
調整できるのは次の2つで、どちらもキャンペーン単位の設定です。
| 設定 | できること |
|---|---|
| 広告のスケジュール | 広告を出す曜日と時間帯を決める。初期設定は終日 |
| 入札単価調整 | 曜日・時間帯ごとに、入札単価を−90%〜+900%で上げ下げする |
入札単価調整は、先にスケジュールを作った曜日・時間帯に設定します。広告グループごとに配信時間を変えたいときは、キャンペーンを分けます。
- [キャンペーン]メニューの[広告のスケジュール]から設定する。1キャンペーンで1日に作れるのは最大6個
- 時刻はアカウントのタイムゾーンで決まる。日をまたぐ配信は、日ごとに分けて作る
関連記事:Google広告のキャンペーンの分け方(キャンペーンを分けるかどうかの判断)
自動入札でも、曜日・時間帯の調整は必要?
スマート自動入札は、コンバージョン(予約や問い合わせなど、広告の成果)のデータで入札単価を決める入札戦略です。曜日・時間帯の入札単価の上げ下げは使われませんが、スケジュールで「配信しない」と決めた時間帯は守られます。
スマート自動入札戦略では、手動の入札単価調整(土曜日に +20% など)は使用されませんが、広告のスケジュール設定は反映されます。
入札戦略ごとに、使える調整は違う
| 入札戦略 | 入札単価調整 |
|---|---|
| 個別クリック単価、クリック数の最大化 | 使われる |
| 目標アクション単価、コンバージョン数の最大化 | 使われない(配信の停止は守られる) |
個別クリック単価は入札単価を手動で決める方式、目標アクション単価(「目標CPA」)は目標値に向けて自動で決める方式です。
目標アクション単価で「CPAの高い時間帯」は止めるべき?
Googleの説明では、目標アクション単価の個別の単価は目標値を上下しつつ、全体として目標値と同等になるよう調整されます。時間帯ごとのCPAに差があっても、全体が目標値に近ければ、想定どおりに動いているかもしれません。私たちの考えでは、ここで高い時間帯を止めても全体のCPAは目標値の近くに戻りやすく、減りやすいのは件数のほうです。まずは残し、全体のCPAを下げたいなら目標値を見直します。止めるのは、次のように計測に表れない事情があるときです。
自動入札でも、配信を止めてよいのはどんなとき?
スマート自動入札が見ているのは、計測されたコンバージョンの数と値だけです。次の場合は止める理由になります。
- その時間帯に対応できない。歯科医院の電話予約の広告を、診療時間外にも出している、などです
- 成果の価値が時間帯で違うのに、計測に反映されていない。深夜のネット予約は無断キャンセルが多いと予約台帳で分かっている、などです
- 目標値のない入札戦略で、許容CPAを超えている。差がはっきりしている場合に限ります。「なんとなく深夜は悪そう」だけで止めると、取れていたはずの予約も失います
関連記事:リスティング広告のCPA改善(効率が上がった分が件数として出やすい理由)/自動入札の学習期間(目標値を変えるときの注意)
曜日・時間帯のデータは、どう見ればよい?
数字は管理画面の[広告のスケジュール]のページで見られます。区切り方は数字を見る前に決めておきます。見てから「悪く見える区切り」を探すと、たまたまの外れを拾いやすいからです。
| 取り違えやすい点 | 対応 |
|---|---|
| コンバージョンは、クリックした時間帯に数えられる | 夜にクリックして翌朝に予約した1件は「夜」の成果。予約の時刻だけで判断しない |
| 直近の数日は、後から増える | クリックから成果までの日数の分、直近の日を外して比べる |
| 細かく切るほど、たまたまの外れが混ざる | 曜日×時間帯の168マスでは1マスの件数が少なすぎる。「深夜」「平日と土日」など、理由を説明できるまとまりで見る |
どれだけ差があれば、その時間帯は「悪い」と言える?
CPA(予約1件あたりの広告費)が許容CPA(1件にいくらまで使っても赤字にならないかの金額)より悪いかを、「期待件数」(許容CPAどおりなら取れていたはずの件数)との比較で見ます。
期待件数 = その時間帯の費用 ÷ 許容CPA
実際の件数が期待件数を大きく下回れば悪い、大きく上回れば良いと見ます。数字は週ごとにも上下するので、差が小さければ判断を保留します。期待件数が数件しかないまとまりは判断できないので、期間を延ばすか、まとまりを大きくします。
たとえば架空の歯科医院が、ネット予約の広告を90日間で67.5万円使い、予約が180件、許容CPAは5,000円だったとします。この医院なら、時間帯を4つに分けて次のように判断します。
時間帯ごとの判断(架空の歯科医院。90日間、許容CPA5,000円)
| 時間帯 | 予約(CPA) | 期待件数 | 判断 |
|---|---|---|---|
| 0〜6時 | 6件(12,500円) | 15件 | 悪い。個別クリック単価なら−30%から下げる。目標アクション単価なら、全体が目標内のうちは残す |
| 6〜12時 | 55件(約3,400円) | 37.5件 | 良い。そのまま |
| 12〜18時 | 70件(約3,400円) | 47.5件 | 良い。そのまま |
| 18〜24時 | 49件(約3,600円) | 35件 | 良い。そのまま |
0〜6時は費用7.5万円なので期待件数は15件ですが、実際は6件と半分にも届きません。
個別クリック単価なら、どれだけ上げ下げする?
動かす幅の公式の基準は、ヘルプには見当たりませんでした。私たちは「許容CPA ÷ そのまとまりのCPA − 1」を上限の目安にし、1回にその半分程度まで動かします。上の医院の0〜6時なら、5,000円 ÷ 12,500円 − 1 = −60%なので、まず−30%です。クリック数の最大化でも同じです。
- 上げるときは、増えた分のCPAで見る。増えた件数は、平均より高い単価で取れていることがあります
- 下限の−90%でも許容CPAに収まらないまとまりは、スケジュールで止める候補です
関連記事:リスティング広告の予算を増やす判断(増えた分のCPAの考え方)
曜日で配信を止めると、月の費用はどう変わる?
2026年6月1日から、特定の曜日に配信を止めるキャンペーンでは、止めた曜日の分の予算も配信する日に使われるようになりました。以前は月20日の配信なら「1日の予算 × 20日」でしたが、変更後は「1日の予算 × 30.4」を目指します(時間帯だけを止める設定は対象外)。1か月の最大費用は次のとおりです。
- 配信日数が16日以上:1日の予算 × 30.4
- 配信日数が15日以下:1日の予算 × 2 × 配信日数
予算を変える前に、2つを確かめる
6月以降に月の費用が実際に増えたか(5月以前の同じ曜日構成の月と比べる)と、予算による制限を受けているか(キャンペーンのステータスなど)です。両方に当てはまるときだけ、1日の予算を計算し直します。予算を使い切っていなかったキャンペーンで下げると、頭打ちになって件数を失うおそれがあります。
たとえば日曜休診で日曜の配信を止めている医院(1日の予算1万円、月26日配信)なら、以前の月の費用は26万円、変更後の最大は30.4万円です。26万円に保つなら、1日の予算を26万円 ÷ 30.4 ≒ 8,550円にします。
関連記事:リスティング広告の予算を増やす判断(予算による制限を受けているかの見方)
調整した後、効いたかはどう確かめる?
変える前に「何の数字が、いつまでに、どれだけ動けば効いたと見るか」を決め、変えるのは1か所だけにして、日と内容を記録します。費用も並べて見て、件数が減ったのが止めたからか、効率が落ちたからかを分けます。数字は週ごとにも上下するので、前後の差が小さければ判断を保留します。
よくある質問
広告のスケジュールを変えると、自動入札が「学習中」になりますか?
Googleのヘルプが挙げる「学習中」の理由に、広告のスケジュールの変更はありません。ただ、参加するオークションは変わるので、変えた直後の数字で評価を急がないほうが安全です。
Google広告で、コンバージョンが起きた日時を確認するには?
[コンバージョン(コンバージョンの日時別)]などの列を表示します。ほかの分析ツールと比べるための列なので、配信の調整には、費用と時間帯がそろうふつうの[コンバージョン]列を使います。
まとめ:状況別に、次にやること
| いまの状況 | 次にやること |
|---|---|
| スマート自動入札で、時間帯の入札単価調整を設定している | 調整は使われない。止めたい時間帯があるかだけを考える |
| 目標アクション単価で、CPAの高い時間帯がある | 全体のCPAが目標値に近いかを先に見る。下げたいなら目標値を見直す |
| 対応できない時間帯に広告が出ている | 入札戦略に関係なく、スケジュールで止める |
| 個別クリック単価で、時間帯ごとの成果に差がある | 差がはっきり大きいまとまりだけ、目安の半分ずつ動かす |
| 特定の曜日に配信を止めている | 6月以降に月の費用が増えたか、予算による制限があるかを確かめる |
補足と出典
- 歯科医院の例と表の数字は、説明のための架空のものです
- 入札戦略ごとの考え方、止めてよい場合、入札単価調整の動かし方、予算を変える前の確認は、私たちの考えです。動かし方の目安は、クリック単価が入札単価に比例して動くと仮定しています
- 目標広告費用対効果とコンバージョン値の最大化も、スマート自動入札です。値で入札しているなら、件数の式は使えないので、目標とする広告費用対効果で比べてください
- スマート自動入札は、ユーザーの現地時間の曜日・時間帯を手がかりに使います。時差のある地域に配信するなら、スケジュールの時刻が現地の何時かを確かめてください
- 予算のペースの変更後も、1日の請求額が1日の予算の2倍を超えることはなく、止めた日には配信されません。最大費用まで使われるかは、広告枠の空き状況、競合、入札戦略の目標などで異なります
- Yahoo!広告の画面や仕様は扱っていません
- 出典(いずれもGoogle 広告 ヘルプ):広告のスケジュール設定について、広告のスケジュールを設定する、入札単価調整について、広告のスケジュールに基づく入札単価調整を設定する、スマート自動入札について、「目標アクション単価」入札戦略について、コンバージョン トラッキング データについて、広告のスケジュール設定における Google 広告の予算消化ペースに関する変更、キャンペーンの学習期間の長さと、それに影響を与える要因
時間帯を止めるかどうか、数字で一緒に確かめませんか
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