※本記事は、運用型広告の支援を行う株式会社シンビが、自社の見解として作成しています。Google広告を中心に、2026年10月21日時点のGoogle広告ヘルプにもとづいて説明します。
この記事のポイント
結論:「予算による制限」は、1日の予算が足りないという知らせで、広告は止まっていません。直すかどうかは、CPAが許容CPA(1件にかけてよい広告費の上限)に収まっているかと、使っている入札戦略で決めます。上から順に当てはめます。
- CPAが許容CPAを超えている:予算は増やさず、配信を絞る
- 目標CPA・目標ROASで、実績が目標値より良い:何もしなくても、成果が目標値に近づくことがある。目標値と予算を決め直す
- CPAに余裕があり、予算を増やせる:増やした分のCPAを確かめながら、1段階ずつ増やす
- CPAに余裕があり、予算は増やせない:そのままでよい
コンバージョン数・値の最大化では、設計上出る表示です。判断は件数とCPAで行います。
「予算による制限」は、何を知らせている?
キャンペーンの表の[ステータス]列に出る表示です。今のキーワード・ターゲティング・入札単価で取れる表示とクリックをまかなうには、1日の平均予算が足りないことを示します。Googleは予算を早く使い切らないよう、広告を出す頻度を抑えています。この表示が出ていても、一定の成果を上げて目標の達成につなげることはできる、とGoogleも説明しています。
ただし、目標CPA(ヘルプでは目標アクション単価)や目標ROAS(同じく目標広告費用対効果)なら、放っておくと成果が変わります。2026年8月17日の入札の更新で、予算の制限があっても目標値に合わせて最適化されるようになったためです。実績が目標値より良いキャンペーンは、何もしなくても成果(CPAやROAS)が目標値に近づくことがあります。費用は予算の範囲のままなので、CPAが上がった分だけ件数は減ります。
なぜ出始めた?
見る場所:変更履歴。出始めた日の前後の変更を見ます。Googleが挙げる理由と、最初に見直すものは次のとおりです。
- 地域などの入札単価調整を上げた:上げた調整が、費用に見合っているか
- 目標アクション単価などの自動入札にした:目標値と予算のつり合い
- 競合やターゲティングに対し、予算がもともと低い:予算を増やせるか、配信を絞るか
「入札戦略による制限」が一緒に出ていたら、通常は予算に加えて目標値も成果を抑えています(目標アクション単価が低すぎる、など)。
直すべき?そのままでいい?
最初の物差しは、CPA(コンバージョン1件あたりの広告費)が許容CPAに収まっているかです。許容CPAが決まっていなければ、成約1件の粗利×成約率で出せます。入札戦略は[入札戦略タイプ]列で確かめ、結論の1〜4を上から当てはめます。余裕があるかは、直近2週間以上のCPAで決めます。差が小さいなら、小さく試します。
CPAが許容CPAに収まり、件数も社内の目標に届いているなら、急いで直す必要はないと私たちは考えています(目標CPA・目標ROASで実績が目標値より良いなら、結論の2が先です)。表示を消すこと自体を目的にすると、採算の合わない増額や、入札の下げすぎにつながります。手動入札なら、入札単価を下げる手もあります。月の予算を増やせないなら、キーワード・地域・時間帯ごとに許容CPAを超えているものから絞り、成果の良い配信に予算を寄せます。
関連記事:リスティング広告のCPA改善(CPAが許容CPAを超えているときの打ち手)
入札戦略ごとに、何をする?
目標CPA・目標ROAS
実績が目標値より良いなら、8月17日の更新でCPAは目標値に近づいていきます。Googleは予算や目標値を自動では変えないので、CPAを今の水準に保ちたいか、目標値までの上昇は許して件数を取りたいかを、自分で決めます。
たとえば架空の学習塾で、体験授業の申し込みを取るキャンペーンが、目標CPA 10,000円・実績6,000円、許容CPA 15,000円だとします。Googleが示す選択肢を、この塾に当てはめると次のとおりです。
- CPAを今の水準に保ちたい:目標値を実績に合わせる(目標ROASなら上げる)。目標CPAを6,000円に下げる。実績に合わせるなら、一度に動かしてよい
- 目標値までの上昇は許し、件数を増やしたい:目標値はそのままで、予算を増やす。10,000円のまま予算を1段階増やす。増えた分も10,000円に近い単価で取れる
- 実績と目標値の間の値が、事業に合う:目標値をその値に変える。目標CPAを8,000円にする
- 目標値を管理せず、予算の中で最大にしたい:コンバージョン数の最大化に切り替える。予算を変えるとCPAが動くので、予算で管理する
目標値は、採算の線(許容CPA、目標ROASなら損益分岐のROAS)より余裕を持たせて置きます。この塾なら、15,000円には寄せません。実績に合わせる調整では大きな変動は生じないはずだとGoogleも説明しています。それ以外で動かすときは、1回10〜30%を目安にします。
CPAが許容CPAを超えているときは、目標CPAなら下げ、目標ROASなら上げます(費用と件数は減りえます)。推奨の目標値は、コンバージョンが7件未満のキャンペーンでは出ないので、許容CPAから手で決めます。
コンバージョン数の最大化・コンバージョン値の最大化
この2つでは、表示が出ていても問題のしるしではありません。
「コンバージョン数の最大化」入札戦略および「コンバージョン値の最大化」入札戦略は 1 日の予算を使い切るよう設計されており、キャンペーンは設定した予算によって制約されているとみなされるため、設計上「予算による制限」を受けます。
CPAが許容CPAを超えているなら、目標値を設定するか、予算を下げます。
手動入札・クリック数の最大化
手動入札(個別クリック単価)では、CPAが許容CPAを超えているキーワードから、上限クリック単価を下げます。下げすぎると競り負けるので、数日おいて確かめるようGoogleは勧めています。「クリック数の最大化」でも、増やすかはCPAで決めます。
予算を増やすなら、何を見る?
増やす前に、Googleの見込みを確かめます。
- 推奨予算:勧める1日の予算。データが少ないと出ない。ステータスで「予算による制限」に絞り込み、キャンペーンの横のグラフのアイコンを選ぶと出る
- 予算シミュレータ:予算を変えたときの表示回数の概算(件数ではない)
- 最適化案ページ:目標CPA・目標ROASで、目標値のまま増やしたときに増える件数の予測
- 予算レポート:月末の費用の見込みと、予算や目標値を変えたときの費用の予測(P-MAXでは使えない)
推奨予算は、表示やクリックを取り切るための金額で、採算の線ではありません。推奨予算が出なくても、予算不足で表示を逃していると分かるなら、無理のない額まで上げることをGoogleは勧めています。
増やした分のCPAで、許容CPAと比べる
平均のCPAで見ると、増やした分が割高でも薄まって見えます。増えた費用を増えた件数で割り、許容CPAと比べます。先ほどの塾で予算を1段階上げ、2週間で費用が35,000円、申し込みが2件増えたなら、増やした分は1件17,500円です。許容CPAの15,000円を超えるので、元の予算に戻すことを考えます。
関連記事:リスティング広告の予算を増やす判断基準(1回に上げる幅、待つ期間、月の途中の費用の上限)/インプレッションシェア損失率の見方
変えた後は、何を見る?
確かめるのは、ステータスの表示ではなく、費用・件数・CPAです。予算や目標値を変えても「学習中」にはなりませんが、成果は動きます。2週間を目安に見てから、日数と曜日の並びをそろえて前後を比べます(件数が少ないなら長めに)。予算と目標値は同じ日に変えません。どちらが成果を動かしたか、分けられなくなるからです。
関連記事:自動入札の学習期間(目標値を変えた後の待ち方)
よくある質問
予算を増やしたのに、「予算による制限」が消えないのはなぜ?
最大化の入札戦略は、設計上この表示を受けます。ほかの戦略でも、推奨予算に届いていなければ残ります。件数とCPAが見込みどおりなら、気にしなくてかまいません。
共有予算やポートフォリオ入札戦略を使っている場合は?
判断の仕方は同じで、目標値や予算を動かす単位が、ポートフォリオ(複数のキャンペーンをまとめて動かす入札戦略)や共有予算になります。共有予算が予算による制限を受けている場合、8月17日の更新の影響は、中のキャンペーンに均等に分かれます。
補足と出典
- 目標値を変える幅(1回10〜30%)は、私たちの運用経験にもとづく目安で、Googleの推奨ではありません。状況別の選び方、入札戦略ごとの次の手、目標値を置く位置、「そのまま」でよい場面、増やした分のCPAで推奨予算を読む方法、評価の期間は、私たちの考えです。学習塾の例は、説明用の架空の数字です
- 8月17日の入札の更新は、目標アクション単価・目標広告費用対効果(デマンド ジェネレーションでは目標クリック単価も)が対象で、2026年8月27日に全アカウントで展開が完了しました。予算による制限を受けていないキャンペーンの動きは変わりません
- 目標値を入れた「コンバージョン数の最大化」は、2026年6月から順次「目標アクション単価」という名前に変わっています(移行中は表示が異なる場合があります)
- 「入札戦略による制限」は、より自動化された戦略への切り替えの提案として出ることもあります。どちらも1日の予算不足とは別の知らせです
- コンバージョン数の最大化では、インプレッション シェア損失率(予算)の列は使わないようGoogleは勧めています
- Googleのヘルプには、予算の増額を学習期間に結び付けて書いたページも残っています(2026年10月21日時点)。この記事は、学習期間のページの説明に合わせています
- 出典(いずれもGoogle 広告 ヘルプ):入札単価調整の適用時の「予算による制限」を修正する(英語版)、「予算による制限」ステータスを修正する、「コンバージョン数の最大化」による入札について、1 日の平均予算を最適化するためのヒント、目標値に基づく入札戦略への変更、入札戦略のステータスについて、目標値ベースの入札戦略への変更に関するよくある質問、入札単価、予算、目標値のシミュレーションで掲載結果を推測する、予算レポートについて、スマート自動入札の学習について、入札戦略レポートを表示する方法
「予算による制限」への対応を、一緒に確かめませんか
株式会社シンビは、福岡を拠点に、運用型広告を中心としたWebマーケティングを支援しています。運用の代行だけでなく、可能な範囲でインハウス化の支援もお引き受けしています。
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