※本記事は、運用型広告の支援を行う株式会社シンビが、自社の見解として作成しています。Google広告を中心に、2026年10月2日時点のGoogle広告ヘルプとLINEヤフー広告ヘルプにもとづいて説明します。
この記事のポイント
結論:マッチタイプは、キーワードごとの好みではなく、主に「入札の方法」と「計測の確かさ」で選びます。
- 手動入札なら、完全一致とフレーズ一致を中心にする
- スマート自動入札で計測が正しく、件数もあるなら、インテント マッチを一部で試す
- 受ける広告グループを自分で決めたい語句は、完全一致でも持っておく
- 切り替えた後は、増えた件数と、増えた分の1件あたりの費用で判断する
3つのマッチタイプは、何が違う?
マッチタイプは、登録したキーワードと実際の検索語句がどのくらい近ければ広告を出すかを決める設定です。違いは、広告を出す検索の範囲の広さにあります。
| マッチタイプ | 書き方の例 | 広告が出る検索 |
|---|---|---|
| インテント マッチ | テニス シューズ | キーワードに関連する内容の検索。直接的な意味を含まない検索も対象になる |
| フレーズ一致 | "テニス シューズ" | キーワードと同じ意味を含む検索。前後に語句が付いた検索も一致する |
| 完全一致 | [テニス シューズ] | キーワードとまったく同じ意味、または同じ意図の検索 |
インテント マッチは最も広いマッチタイプで、記号を付けなければこれになります。Googleのヘルプには「部分一致」と書くページもありますが、同じものです。
完全一致も、同じ文字の検索だけに出す設定ではありません。どのマッチタイプも、表記のゆれや言い換えなどの「類似パターン」に一致し、この動きは止められません。
たとえば完全一致の [スイムウェア] は、「水着」の検索にも出ます。出したくない言い換えがあれば、除外キーワードで止めることになります。
関連記事:除外キーワードの設定方法
手順1:入札の方法と計測の確かさで選ぶ
最初に決めるのは、入札の方法です。Googleのヘルプは、インテント マッチをスマート自動入札と組み合わせる前提で書いています。
スマート自動入札とインテント マッチは併用することが不可欠です。なぜなら検索語句は千差万別で、それぞれの入札単価にはオークション時の固有のコンテキスト シグナルを反映する必要があるからです。
スマート自動入札は、Googleがオークションごとに単価を決める入札戦略です。計測されたコンバージョン、つまり申し込みなどの成果のデータをもとに入札します。
手動入札では、同じキーワードに一致した検索語句に、同じ上限クリック単価が使われます。インテント マッチで関係の薄い検索にも出ると、成果の良い検索と同じ単価で入札することになります。
状況別の判断表
| いまの状況 | 中心にするマッチタイプ | 理由 |
|---|---|---|
| 手動入札で運用している | 完全一致・フレーズ一致 | 検索語句ごとに単価を変えられない |
| スマート自動入札で、計測が正しく、直近30日にコンバージョンが30件程度以上ある | インテント マッチを試す | Googleは、スマート自動入札と最も相性が良いとしている |
| スマート自動入札だが、計測が正しいか自信がない | 先に計測を直す。それまではフレーズ一致・完全一致 | 誤った数字のまま広げると、誤った方向に広がるおそれがある |
| 予算で配信が制限されている | 今のマッチタイプのまま、先に予算を見直す | 今の検索に使えていた予算が、広がった検索に分かれるおそれがある |
| 「花」「靴」など一般的な1語で、扱っていない商品の検索も混ざりやすい | フレーズ一致か、語句を絞ったキーワード | Googleも、取り扱っている商品の語句に絞るよう説明している |
| 社名・サービス名、主力の語句 | 受ける広告グループを決めたいものは、完全一致でも持つ | 検索語句と同一の完全一致キーワードが優先される |
インテント マッチを試す前のチェックリスト
次の5つを確かめることをおすすめします。1つでも欠けていたら、先にそちらを整えます。
- 入札戦略がスマート自動入札になっている
- 入札に使うコンバージョンが、事業の成果に近い
- 目標値を、1件にいくらまで使えるかを表す許容CPAから決めている
- 検索語句レポートを見る担当と頻度が決まっている
- 戻す基準を、切り替える前に決めている
手順2:同じ語句を重ねて登録するかを決める
同じ語句を複数のマッチタイプで登録することについて、Googleのヘルプはページによって説明が違います。
| ヘルプのページ | 書いてあること |
|---|---|
| 効果的なキーワードの選び方 | 費用やパフォーマンスの面で悪影響が出ることはない |
| アカウント構成の基礎 | スマート自動入札ではデータが分割され、パフォーマンスが低下する可能性がある |
そこでスマート自動入札では、重ねて持つ語句を絞ることをおすすめします。広告文とリンク先を自分で決めたい、指名や主力の語句だけにします。
完全一致で持つ理由は、選ばれる順番にあります。1つの検索に複数のキーワードが一致しても、使われるのは1つだけで、次の順に選ばれます。
- 検索語句と同一の完全一致キーワード
- 検索語句と同一のフレーズ一致・インテント マッチのキーワード
- 同一のキーワードがなければ、AIが判断した関連性の最も高い広告グループ
- それでも並ぶなら、オークションでの評価である広告ランクの高いもの
類義語の検索は「同一」に含まれません。受ける広告文を決めたい語句は、言い換えも含めて完全一致で登録しておくことをおすすめします。
なお、スマート自動入札とインテント マッチを組み合わせるなら、マッチタイプで広告グループを分ける必要はないとGoogleは書いています。1つの広告グループに違うテーマの語句を混ぜないことのほうが効いてきます。
関連記事:P-MAXと検索広告の使い分け(P-MAXとの優先の関係、順番の例外)
手順3:試し方と、戻す基準を先に決める
切り替えの前後を比べる方法は、季節や競合の変化と区別できません。できれば、Google広告の「カスタムテスト」を使います。元のキャンペーンと、変更したキャンペーンを同じ期間で比べられる機能です。
どちらの方法でも、切り替える前に次の3つを決め、記録しておくことをおすすめします。
| 決めること | 決め方の例 |
|---|---|
| 評価する期間 | 「学習中」の期間を除いた4週間以上 |
| 続ける条件 | 増えた件数が偶然の幅を超え、増えた分の1件あたりの費用が許容CPAに収まる |
| 戻す条件 | 件数が増えないまま、増えた費用が「許容CPAの何件分」を超えた |
「学習中」は、入札戦略のステータスです。スマート自動入札では、キーワードを足したり外したりすると、この状態になることがあります。
何件分にするかは、試すために失ってよい費用の上限です。許容CPAが20,000円で5件分と決めれば、上限は100,000円になります。
戻せるように、切り替える前のキーワードの一覧も残しておきます。Googleの最適化案から切り替えると、元のキーワードは削除され、インテント マッチのキーワードに置き換わるからです。
手順4:切り替えた後に評価する
見るのは、件数の増え方が偶然の幅を超えたかと、増えた分の1件あたりの費用です。1件あたりの広告費であるCPAを、キャンペーン全体で見るだけでは、判断を誤りやすくなります。
切り替えの前後の比べ方(架空の数字。前の4週間:費用600,000円・40件、許容CPA20,000円)
| 後の4週間 | 例1 | 例2 | 例3 |
|---|---|---|---|
| 費用 | 750,000円 | 750,000円 | 750,000円 |
| 件数 | 52件 | 70件 | 38件 |
| CPA | 約14,423円 | 約10,714円 | 約19,737円 |
| 増えた件数 | +12件 | +30件 | −2件 |
| 偶然の幅 | ±19件程度 | ±21件程度 | ±18件程度 |
| 増えた分の1件あたりの費用 | 12,500円 | 5,000円 | 出せない |
| 判断 | 期間を延ばす | 続ける | 戻す基準を確かめる |
増えた分の1件あたりの費用 = 増えた費用 ÷ 増えた件数
- 例1:CPAは下がって見えますが、+12件は偶然の幅に収まります。設定の効果とはまだ言えません
- 例2:+30件は偶然の幅を超え、増えた分の1件あたり5,000円も許容CPAに収まります
- 例3:費用だけが150,000円増え、件数は増えていません。上限を100,000円にしていれば、戻す側に入ります
一部の広告グループだけで試したときは、キャンペーン全体の差で計算してください。広げたキーワードが、ほかの広告グループが受けていた検索を取ることがあるからです。
検索語句レポートの[マッチタイプ]列にも注意します。この列が示すのは検索語句の一致の仕方で、キーワードに付けたマッチタイプとは異なる場合があります。広がった検索を見るなら、[キーワード]列で絞り込みます。
関連記事:自動入札の学習期間/リスティング広告のCPA改善
Yahoo!広告のマッチタイプは、何が違う?
Yahoo!広告の検索広告にも、完全一致・フレーズ一致・インテントマッチの3つがあります。広い順の関係はGoogle広告と同じです。
| 項目 | Google広告 | Yahoo!広告 |
|---|---|---|
| 一番広いマッチタイプの勧め方 | スマート自動入札との併用が不可欠と説明 | 運用を始めたばかりの場合や、表示機会を増やしたい場合に勧める |
| フレーズ一致と語順 | 語順で意味が変わる検索には出ない | 語順に関係なく含まれていれば出る。意味が異なる検索には出ない |
それでも私たちは、判断表の上の3行は、Yahoo!広告にもそのまま当てはめることをおすすめします。手動入札で単価を変えられない点と、計測の誤りが効いてくる点は、媒体によらず同じだと考えるからです。
関連記事:Yahoo!広告の自動入札
よくある質問
部分一致とインテント マッチは、同じものですか?
同じものです。Yahoo!広告は、2024年7月16日に「部分一致」を「インテントマッチ」に名称変更し、機能面での変更はないとヘルプに書いています。Google広告の日本語のヘルプには、両方の書き方があります。
ディスプレイ広告や動画広告のキーワードにも、マッチタイプはありますか?
ディスプレイ ネットワークでは、すべてのキーワードがインテント マッチとみなされます。動画では、3つとも使えます。この記事の選び方は、検索キャンペーンを前提にしています。
除外キーワードのマッチタイプも、同じ考え方で選べばよいですか?
同じ考え方では選べません。Googleは、除外キーワードのマッチタイプの動きは通常のキーワードと異なるとしています。たとえば、除外キーワードは類似パターンに一致しません。
まとめ:状況別に、次にやること
| いまの状況 | 次にやること |
|---|---|
| 手動入札で、インテント マッチのキーワードが多い | 関係のない検索への費用を確かめる。多ければフレーズ一致・完全一致に寄せる |
| スマート自動入札で、フレーズ一致・完全一致だけ | チェックリストの5つを確かめ、戻す基準を決めてから試す |
| 切り替えから数週間たった | キャンペーン全体で、増えた件数と、増えた分の1件あたりの費用を見て決める |
| 受けたい語句の検索に、別の広告グループの広告が出ている | その語句を、言い換えも含めて完全一致で登録する |
補足と出典
- 表の数字は、説明のための架空の数字です。判断表、チェックリスト、戻す基準は、私たちの考えです
- 偶然の幅は「±2×√(前の件数+後の件数)」で計算した、約95%の範囲の目安です。例1なら 2×√(40+52)≒19件、増えた分の1件あたりの費用は 150,000円÷12件=12,500円です
- 「直近30日に30件程度以上」は、目標アクション単価の評価に勧められている件数を借りた、私たちの目安です。計測の誤りが範囲を広げるほど効いてくるという点も、私たちの考えです
- 手動入札の上限クリック単価は、デバイスなどの入札単価調整で変わります。インテント マッチの最適化案は手動入札にも適用できますが、Googleはスマート自動入札でだけ使うことを強く勧めています
- 「アカウント構成の基礎」の注意はスマート自動入札に限った書き方なので、手動入札には当てはまらないと私たちは読んでいます
- 選ばれる順番の2番目には、P-MAXキャンペーンの「検索テーマ」も入ります。予算の制限や検索ボリュームの少なさで、順番どおりにならない例外もあります
- 誤字を直した検索語句を「同一」に含めるかは、ヘルプのページによって書き方が違います。完全一致のキーワードは類義語の検索にも出ますが、そのときは1番目の優先にはなりません
- P-MAXと重なる場合は、キャンペーン全体ではなくアカウント全体の差で見てください
- 検索キャンペーンのAI 最大化設定は、インテント マッチと同時に使い始めないことをおすすめします。どちらの効果かを分けられなくなるからです
- Googleが「部分一致」の名称を変えたと告知したページは、私たちが確認した範囲では見つかりませんでした
- Yahoo!広告 検索広告は、2026年4月1日に「LINEヤフー広告 検索広告」に名称が変わりました(LINEヤフー for Business のお知らせ)。この記事では旧称で表記しています
- 出典(Google 広告 ヘルプ):キーワードのマッチタイプについて、キーワードの類似パターン、検索語句レポートについて、インテント マッチでスマート自動入札キャンペーンを促進する、個別クリック単価制について、「目標アクション単価」入札戦略について、効果的なキーワードの選び方、アカウント構成の基礎、広告グループとアセット グループの優先順位付けについて、AI 最大化設定について、キャンペーンの学習期間、カスタムテストを設定する
- 出典(LINEヤフー広告 ヘルプ):マッチタイプについて、インテントマッチについて、フレーズ一致について
キーワードの設計を、第三者の目で確認しませんか
株式会社シンビは、福岡を拠点に、運用型広告を中心としたWebマーケティングを支援しています。運用の代行だけでなく、可能な範囲でインハウス化の支援もお引き受けしています。
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