※本記事は、運用型広告の支援を行う株式会社シンビが、自社の見解として作成しています。Google広告の検索キャンペーンを中心に、2026年10月21日時点のGoogle広告ヘルプにもとづいて説明します。
この記事のポイント
結論:キーワードプランナーの数字は、どれも目安です。ぴったり当てにするのではなく、キーワードどうしを比べることと、月の費用・件数の見当をつけることに使います。
- 検索ボリューム:12か月の平均。季節の山は月別の推移で見る
- 入札単価の幅:上部に出た広告主の入札単価の目安。実際に払う額ではない
- 予測:1日の数字は1週間の平均として読み、配信を始めたら実績で出し直す
キーワードは「意図が合うか→払える単価に届くか→検索の量」の順に選び、予算は予測から見込みの件数とCPAを出して決めます。
どこで開いて、何の数字が見える?
キーワードプランナーは、キーワードの候補を探し、検索の量と費用の見積もりを確かめるGoogle広告のツールです。[ツール]メニューの[キーワード プランナー]から開きます。お支払い情報を入れてアカウント設定を終えるまでは、候補を出せません。
入口は、候補を探す[新しいキーワードを見つける]と、手持ちの語を貼り付ける[検索のボリュームと予測のデータを確認する]の2つです。出てくる数字は、大きく2種類に分かれます。
- 過去の指標:月間平均検索ボリューム、競合性(入札している広告主の多さ。低・中・高)、ページ上部に掲載された広告の入札単価(低額帯・高額帯)
- 予測:入札単価と予算を入れたときの、1日のクリック数・費用・表示回数などの見込み
予測は入札単価・予算・季節性を考えに入れ、過去の指標は入れていません。同じ語でも、検索ボリュームと予測の表示回数が合わないのは、これが理由の1つです。
検索ボリュームは、信じていい?
月間平均検索ボリュームは、指定した期間・地域で、キーワードとその類似パターンが検索された平均の回数です。指定しなければ直近12か月の平均で、ヘルプはこれを概数としています。「1,000~1万」のような幅で出るときは、桁の違う語どうしの比較だけに使います。
- マッチタイプを変えても、数字は同じ:過去の指標は、完全一致の統計だけが出ます。フレーズ一致やインテント マッチ(ヘルプでは「部分一致」とも表記)で登録する予定なら、そのマッチタイプでプランに追加し、予測の表示回数で出せる量を確かめます
- 季節の山はならされている:期間を指定すれば、月ごとの推移が見られます。配信する月の検索が平均より桁違いに多い(例:平均600、その月6,000)なら、予測の期間をその月に合わせて費用を見積もります
- 数字が出ない語もある:検索がとても少ない語や、デリケートな話題とみなされる語(健康や金融など)は、候補にも予測にも出ません。意図が合えば登録し、配信後に検索語句レポートで実際の検索を確かめます
関連記事:キーワードのマッチタイプの使い分け/検索語句レポートの見方
入札単価の幅は、払う金額?
違います。「ページ上部に掲載された広告の入札単価」は、直近30日にそのキーワードで上部に広告を出した広告主の入札単価の幅です。低額帯は安い順に並べた下から2割、高額帯は8割のあたりです。入札の履歴が少ない語では、出ないことがあります。
- 払うクリック単価ではない:実際に払うのは、その掲載順位に最低限必要な額+1円で、入札単価より低いことがあります
- 高額帯で入札しても、上部に出るとは限らない:品質スコアなどとの組み合わせで決まります
- 地域を変えると数字も変わる:配信する地域と同じ設定で見ます
この幅は、自社が1クリックにいくらまで払えるか(払える単価)と比べて使います。払える単価は「許容CPA × コンバージョン率」です。許容CPAは1件の申し込みに使える広告費の上限、コンバージョン率はクリックのうち申し込みに至る割合です。架空の英会話教室で、入会1件の粗利10万円・入会率20%なら、許容CPAは2万円です。コンバージョン率が2%なら、払える単価は400円です。払える単価が低額帯を下回る語は、上部に出にくいと見ます。
関連記事:品質スコアの上げ方
予測のクリック数や費用は、当てになる?
キーワードをプランに入れると、[予測]のページに見込みが出ます。最初に入っている入札単価は、アカウントの上限クリック単価の平均などから出た値なので、払える単価に入れ替えます。コンバージョン数の予測には、コンバージョン トラッキングの設定が要ります。
ヘルプは、1日の数字は1週間の平均と見なすよう案内しています。予測は毎日更新され、直近7~10日のデータに季節の要因を加えて出ます。アカウントを作ったばかり、狭い地域だけに配信する、似たキーワードを複数入れた、別のキャンペーンに同じ語がある、といったときは、実績とずれやすくなります。
予測は月に使える額の桁と見込み件数をつかむのに使い、配信後は実績で出し直すのがよいと私たちは考えています。2週間を目安に(件数が少ない案件や、計上が遅れる商材は長めに)、実際のクリック単価とコンバージョン率を予測の前提と比べます。率が想定と違えば、実際の率で払える単価を出し直し、上限クリック単価や目標アクション単価をそれに合わせます。
結局、どのキーワードを選び、予算はいくらにする?
候補は、ウェブサイトとキーワードを一緒に入れたほうが多く出ます。意図→払える単価→量の順で選ぶのが、私たちのおすすめです。
配信前はコンバージョン率が分からないので、自社サイトの申し込み率などを中くらいの値とし、その半分と1.5倍を低め・高めとして置きます。英会話教室で中くらい2%・低め1%・高め3%なら、払える単価は400円・200円・600円です。低めの200円でも判断が崩れないかを確かめます。
英会話教室のキーワード候補(架空の数字。検索数は月間平均検索ボリューム)
| キーワード | 検索数 | 入札単価の幅(円) | 判断 |
|---|---|---|---|
| 英会話教室 料金 | 590 | 180〜600 | 優先 |
| 英会話教室 社会人 | 70 | 150〜450 | 登録 |
| 英会話 比較 | 2,400 | 350〜1,200 | 後から |
| 英会話 独学 無料 | 3,600 | 80〜250 | 除外候補 |
- 英会話教室 料金:入会を考える人の語で、200円でも幅に届く
- 英会話教室 社会人:意図も単価も合うが、量は料金の約8分の1
- 英会話 比較:200円では低額帯に届かない。実際の率を見てから足す
- 英会話 独学 無料:教室を探していない人の語
予算は、料金と社会人をプランに入れた予測で確かめます。1日の数字に30.4(1か月の平均日数)を掛けて月に直し、低めの1%で件数を出します(見込み件数=クリック数×コンバージョン率、見込みCPA=費用÷見込み件数)。
入札単価ごとの月の見込み(架空の数字。コンバージョン率1%)
| 項目 | 200円 | 400円 |
|---|---|---|
| クリック数 | 608回 | 1,064回 |
| 費用 | 91,200円 | 304,000円 |
| 見込み件数 | 約6.1件 | 約10.6件 |
| 見込みCPA | 約1.5万円 | 約2.9万円 |
| 60万円までの月数 | 約6.6か月 | 約2.0か月 |
予算の決め方の記事では、検証の目安を「許容CPAどおりなら30件取れる額」(この例では2万円×30件=60万円)、期間を3か月程度までとしています。200円はCPAが収まりますが、遅すぎます。まずこの単価で語を足すか、マッチタイプを広げた予測を見ます。それでも3か月に収まらなければ400円で始め、実際の率が1%に近ければ下げます(2%なら見込みCPAは約1.4万円)。
件数が足りないときは、1日の平均予算を大きめに入れた予測で、費用とクリック数が伸びるかを見ます。伸びるなら、見込みCPAが許容CPAに収まる範囲で予算を上げます。伸びないなら、その単価と語で取れる量が上限なので、語を足すかマッチタイプを広げます。
関連記事:Google広告のキャンペーンの分け方/除外キーワードの設定方法
よくある質問
同じアカウントなのに、人によって数字が違うのはなぜですか?
Googleは、子アカウントに直接ログインしたか、MCCアカウント(複数のアカウントをまとめて管理するアカウント)から移ったかで、数字が食い違うことがあると説明しています。社内で共有するときは、開き方をそろえます。
補足と出典
- 英会話教室の例のキーワード・検索ボリューム・入札単価・予測の数字は、説明用の架空の数字です。月の数字は、1日の予測に30.4(1か月の平均日数)を掛けています
- キーワードを選ぶ順番、幅で表示されたときの扱い、季節の山の目安、入札戦略ごとの予測の入れ方、実績で出し直す時期と見直し方は、私たちの考えです
- 競合性は、入札している広告主の数が、Googleの全キーワードと比べてどれだけ多いかを示します。低額帯は第20百分位、高額帯は第80百分位の近似値です
- 予測の入れ方は入札戦略で変わります。手動入札(個別クリック単価)なら入札単価に払える単価を、最大化系の自動入札なら使う予定の1日の平均予算を入れます。目標アクション単価なら、見込みCPAが許容CPAに収まるかを見て、最初の目標値は許容CPAより低めに置きます
- 別のキャンペーンに同じ語があるときの重なりは、予測では考慮されません。アカウントを作ったばかりなら、全広告主の平均で出ます。市場が大きく動く時期は、週ごとにプランを作るようGoogleは勧めています。ヘルプには、生花の配送で2月の検索が多いと分かり、2月に絞って予測を見る例があります
- 不要な候補は[不必要なキーワードを除外する]のチェックを外して減らせます。費用が予測ほど出ないなら、語を足すか、配信地域を広げられるかを見直します。選んだ語は、同じ広告文とランディング ページで答えられる意図ごとに、広告グループに分けます
- 予測の画面の説明は、ヘルプのページで違います。「キーワード プランナーの予測について」は上部の入札単価の欄を、「キーワード プランナーを使う」は1日の平均予算と[クリック数の最大化]のプルダウンを説明しています
- 競合性は、日本語版のヘルプでは「入札している広告主の数」、英語版では広告が表示された広告主の数として説明されています
- 管理画面の項目名・ボタン名は、2026年10月21日時点のGoogle 広告 ヘルプの表記に合わせており、画面と違う場合があります。Yahoo!広告(LINEヤフー広告)のツールは扱っていません
- 出典(いずれもGoogle 広告 ヘルプ):キーワード プランナーの予測について(英語版)、キーワード プランナーで新しいキーワードを絞り込む、キーワード プランナーを使う、新しいキーワードを見つけるためのおすすめの方法、費用の上限について
キーワードの選び方と予算の見積もりを、一緒に確かめませんか
株式会社シンビは、福岡を拠点に、運用型広告を中心としたWebマーケティングを支援しています。運用の代行だけでなく、可能な範囲でインハウス化の支援もお引き受けしています。
「キーワードプランナーの数字を、どう予算に落とせばよいか分からない」という段階でも、お気軽にご相談ください。
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