※本記事は、運用型広告の支援を行う株式会社シンビが、自社の見解として作成しています。Google広告を中心に、2026年10月21日時点のGoogle広告ヘルプにもとづいて説明します。
この記事のポイント
結論:目標CPAを上げる、入札戦略を変えるなど、結果が読めない変更は、いきなり全部に入れずに[テスト]で確かめます。元のキャンペーンと変更した側に配信を半分ずつ分け、同じ期間で比べる機能です。
- 変えるのは1つだけ。採用する条件と、止める条件を先に決める
- Cookie ベース・50%で分け、期間は4週間以上にする
- 最初の2週間は除いて見る。期間中は、ほかの設定を動かさない
- 増えた分の1件あたりの費用が、許容できる範囲なら採用する
[テスト]で、何が比べられる?
[テスト]は、管理画面の[キャンペーン]メニューにあります(旧称「下書きとテスト」)。元のキャンペーン(対照群)と、変更を入れた側(介入群)に配信を分けて、同じ期間で比べます。季節や競合の影響が、両方にそろいます。
- カスタムテスト:入札戦略、マッチタイプ、LP、オーディエンスなど(検索・ディスプレイ・動画など)
- 広告バリエーション:レスポンシブ検索広告の文言やURLの1つの変更
- キャンペーンの機能と設定:AI 最大化設定などの機能。1つのキャンペーン内で分ける
- そのほか:P-MAX テスト、動画テスト、デマンド ジェネレーション テスト、アプリアセットのテスト
一時停止中、共有予算、ポートフォリオ入札戦略(複数のキャンペーンをまとめて動かす入札戦略)のキャンペーンは選べません。1つのキャンペーンで一度にできるテストは1つです。
始める前に、何を決めておく?
介入群で変えるのは、1つだけです(2つ変えると、どちらの効果か分かりません)。物差しは許容CPA(1件に使える広告費の上限)です。採用の条件と一緒に、試すために失ってよい費用の上限(止める条件)も決めます。架空のパーソナルジム(体験の申し込みがコンバージョン)なら、次のように決めます。
- 許容CPA:入会1件の粗利12.5万円 × 体験からの入会率20% = 2.5万円
- 変える1つ:目標CPAを2万円から2.5万円に上げる(キーワードや広告文は変えない)
- 分け方・期間:Cookie ベース・50%、開始は3日後、6週間(最初の2週間は除いて見る)
- 止める条件:件数が増えないまま、増えた費用が許容CPAの5件分(12.5万円)を超えたら終える
- 採用の条件:件数の差にアスタリスクが付き、増やした分のCPAが2.5万円以内
Googleはカスタムテストのページで、信頼できる結果を得る最小要件の例に「1 日あたりのコンバージョン数が 100 以上など」を挙げています。1日1件なら、12週でも1群35件ほどです。件数が少ないなら、入札戦略の切り替えなど大きな差が見込める変更だけにします。広告文やLPを試したいなら、クリック率やフォームへの到達など、件数より多く起きる行動で見ます。
関連記事:キーワードのマッチタイプの使い分け(止める条件の決め方)/レスポンシブ検索広告の改善
どうやって作る?
[テスト]のプラスボタンから[カスタム]を選ぶか、有効なキャンペーンの設定を変えた後に[テストとして保存]を選びます。広告文だけを比べるなら、広告バリエーションを使います。カスタムテストでは、次の順に決めます(名前はヘルプの表記)。
- [テストの設定]で名前と元のキャンペーンを選び、テスト側に変える1つを入れる
- 成功指標を最大2つ選ぶ(ジムなら、コンバージョンとコンバージョン単価)
- [テスト用の分割データ]を50%、[詳細設定]で Cookie ベースにし、[テストの同期]はオンのまま
- [テスト期間]で、開始日を数日後(広告の審査を待つため)、期間を4週間以上にする
- [保存]後、自動適用のあるテストなら、[レポート]ページでオフにする
Cookie ベースは、同じ人にはどちらか一方だけを見せる分け方です。検索のたびに振り分ける検索ベースのほうが早く差が出る場合があるとGoogleはしていますが、同じ人が両方を見ると差が薄まります。迷ったら Cookie ベース、が私たちの考えです。配分は、Googleが勧める50%にします。配分は、作った後は変えられません。
期間中に、気をつけることは?
終了日は開始日の2〜12週後で決め、始めた後も今日から最大12週後まで延長できます。Googleは、介入群の安定に7〜14日ほどかかるとしています。私たちは、最初の2週間を除き、その後の2週間以上を比べる考えです(件数が少ない案件は長めに)。除くには、テストのページで表の期間を、開始日の2週間後から終了日までに変えます。
- 比べる変更以外の設定を、途中で変えない:学習期間が始まり、結果に影響するおそれがあるとGoogleは説明しています
- 数日の数字で止めない:最初の1〜2週間は数字が安定しません。止めるのは、止める条件に届いたときです
- 予算や目標値を何度も動かさない、一時停止を繰り返さない:ショッピング・P-MAX のよくある質問では立ち上げの7〜14日間は控えるよう勧めており、検索でも同じに扱うのが安全だと私たちは考えます
「テストの同期」がオン(初期設定)なら、元のキャンペーンへの変更が15分ほどでテスト側にもコピーされます。同期は一方向なので、除外キーワードなど両方に必要な変更は、元のキャンペーンに入れます。
関連記事:自動入札の学習期間
結果はどう読み、採用を決める?
スコアカードには、指標ごとの群の差(%)が出ます。偶然では説明しにくい差なら、青いアスタリスクが付きます。[結果]列が「最も掲載結果の高い組み合わせは特定されていません」なら、まだ差を判断できません。
アスタリスクで分かるのは、差が偶然でなさそうかまでです。CPAが許容CPAに収まっていても、増えた件数を高く買っていることがあります。そこで採用は「増やした分のCPA = 増えた費用 ÷ 増えた件数」で決めます。ジムのテスト(目標CPA2.5万円)と、目標CPAを3万円まで上げるテストを別に行った場合の例です。
テストの結果(架空のパーソナルジム。立ち上げを除いた4週間、許容CPA 2.5万円)
| 項目 | 対照群 | 介入群(2.5万円) | 介入群(3万円) |
|---|---|---|---|
| 費用 | 100万円 | 160万円 | 180万円 |
| 件数 | 50件 | 80件 | 80件 |
| CPA | 2万円 | 2万円 | 2.25万円 |
| 増やした分のCPA | - | 2万円 | 約2.67万円 |
| 判断 | - | 採用する | 採用しない |
目標CPA3万円のほうは、CPAは2.25万円で許容CPAの内側です。しかし増えた30件を、1件約2.67万円と、許容CPAより高く買っているので採用しません。
目標CPAを下げるなど、費用を減らす変更は逆に見ます。減った費用 ÷ 減った件数(手放した分の1件あたりの費用)が許容CPAより高ければ採用します。ジムで費用が140万円減り、件数が10件減ったなら、手放した10件は1件14万円で、2.5万円より高いので採用です。
- 差が小さい(アスタリスクが付かない):終了日を延ばす。12週を目安に延ばしても差が小さければ、差はないとみなし、元のキャンペーンのまま終える
- 増やした分のCPAが許容CPAを超える:上げ幅を小さくして、もう一度テストする
- 採用する:テストのページの[適用]から、[元のキャンペーンを更新]か[新しいキャンペーンに切り替える]を選ぶ。採用しないなら[終了する](終了したテストは再開できない)
良好な結果を自動で適用する機能は、一部のテストで初期設定がオンです。許容CPAは見ないので、オフにして自分で判定するのが私たちの勧めです。
関連記事:リスティング広告の予算を増やす判断基準(増やした分のCPAの考え方)/「予算による制限」が出たときの判断
よくある質問
広告文のテストは、今もできますか?
できます。広告バリエーションで、レスポンシブ検索広告の見出し・説明文・URLを変えた版を、元の広告と比べられます。特定の広告グループだけなら、Googleはカスタムテストを勧めています。
P-MAX やショッピングでも同じやり方ですか?
P-MAX は P-MAX テストを使います。ショッピングは、目標広告費用対効果のワンクリック テストや、P-MAX との比較テストがあります。
補足と出典
- パーソナルジムの金額・件数・期間の例は架空の数字です
- 選び方・止める条件・件数の見積もり・比べる期間・採用の判定と次の手・自動適用をオフにすることは、私たちの考えです
- アプリとショッピングでは、カスタムテストを作れません。テキスト広告・拡張テキスト広告が残っていても作れません。価値に基づく入札戦略(売上などの金額で入札する戦略)のテストは、過去30日間に50件以上のコンバージョンと、ゼロ以外の異なる値が2つ以上必要で、Googleは2週間以上の立ち上げを除いて30日以上続けるよう案内しています
- 件数が足りないときは、1群の見込み件数(今の1日の件数 × 立ち上げの2週間を除いた日数 × 0.5)を先に出します。少ないほど、大きな差でないと偶然と見分けられません。件数が多い(Googleの例は1日100件以上)なら、小さな変更もテストできます
- 検索・ディスプレイのカスタムテストの「テストの同期」は、作った後は変えられません。同期がオフのときは、両方に必要な変更をテスト側にも手で入れます。広告は両方の群で共有されます。ディスプレイは常に Cookie ベースで分けます
- 価値(売上)で入札するキャンペーンは、増えたコンバージョン値 ÷ 増えた費用を、損益分岐のROAS(下回ると赤字になる、広告費に対する売上の割合)と比べます。配分が50%でないテストは、スコアカードの差(%)で見ます。増やした分のCPAが許容CPAを超えたとき、最大化系(目標値を置かない戦略)なら、目標値を置くか予算を絞ります。件数が増えない、または手放した分が許容CPA以下なら、採用せずに終えます。LP・広告文など費用がほぼ変わらない変更は、件数の差にアスタリスクが付くかで決めます
- 自動適用の条件は、検索のテストでは「基本のキャンペーンと比較して結果が良好であれば」としか書かれていません。ショッピング・P-MAX では、目標値のない最大化系なら、介入群の件数か価値が多ければ適用されます
- カスタムテストを使えるキャンペーンの種類は、ヘルプのページによって書き方が違います(アプリを含めるページもある)
- 同期の説明は、新しい「テストの同期について」のページにもとづきます。「カスタムテストを設定する」のページには、元への変更はテストに反映されないとする古い説明が残っています(2026年10月21日時点)
- 出典(いずれもGoogle 広告 ヘルプ):[テスト] ページ(旧称: 下書きとテスト)について、Google 広告テストセンターについて、カスタムテストについて、カスタムテストを設定する、テストの同期について、キャンペーンのテストを見つけて編集する、テストの結果をモニタリングする、カスタムテストを適用する、テストに関するよくある質問、キャンペーンのテスト機能で、価値に基づく入札戦略をテストする、広告バリエーションについて、AI 最大化設定テストについて、テストで使用される統計手法
テストの設計と結果の読み方を、第三者の目で確認しませんか
株式会社シンビは、福岡を拠点に、運用型広告を中心としたWebマーケティングを支援しています。運用の代行だけでなく、可能な範囲でインハウス化の支援もお引き受けしています。
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