※本記事は、運用型広告の支援を行う株式会社シンビが、自社の見解として作成しています。Google広告の検索キャンペーンを中心に、2026年10月21日時点のGoogle広告ヘルプとGoogleの発表にもとづいて説明します。
この記事のポイント
結論:AI Max(日本語の画面では「AI 最大化設定」)は、すぐに全部入れるものではありません。次の順に進めます。
- 2026年9月からの自動アップグレードで、知らないうちにオンになっていないかを確かめる
- 入札・予算・計測が整っているかを確かめる(整っていないと、本来の働きをしない)
- テストで、元のキャンペーンと同じ期間に並べて比べる
- 増えた分の1件あたりの費用が、許容できる範囲なら続ける
3つの機能は別々に止められるので、困る機能だけ止めることもできます。
AI Maxをオンにすると、何が変わる?
AI Maxは、今の検索キャンペーンの中でオンにする設定です。新しいキャンペーンの種類ではありません。新しく作る検索キャンペーンでは最初からオンで、次の3つの機能が動きます。
AI 最大化設定の3つの機能
| 機能 | 何が変わるか | 止める単位 |
|---|---|---|
| 検索語句とのマッチング | キーワードの外の検索にも出す | キャンペーン(広告グループごとにも可) |
| テキストのカスタマイズ | Googleが見出しと説明文を追加で作る | キャンペーン |
| 最終ページ URL の拡張 | 検索語句に合うサイト内の別ページへ送る | キャンペーン |
テキストのカスタマイズは、旧「自動作成アセット」です。止めると、最終ページ URL の拡張も止まります。広がり方を絞る設定には、ブランドの除外(指定したブランドの検索に出さない)、URL の除外、URL の登録(送り先にしたいページを指定する)があります。除外キーワードも、そのまま効きます。
知らないうちに、オンになっていない?
Googleは、次のキャンペーンのうち対象のものを、2026年9月から自動でアップグレードし、9月末までに終える見込みとしていました。
- 自動作成アセットを使っていた:検索語句とのマッチングと、テキストのカスタマイズがオンになる
- キャンペーン単位のインテント マッチ(ヘルプでは「部分一致」とも表記)の設定を使っていた:検索語句とのマッチングがオンになる
見る場所:キャンペーンの一覧に「AI 最大化設定」の列を足します。
オンになっていたら、まず後で説明するレポートで、広がった分の費用と件数、関係のない語句、送られたページを見ます。問題があれば、その機能だけを止めます。続けるかを比べたいときは、いったんオフにしてからテストを作ります(テキストのカスタマイズがオンのキャンペーンでは、テストを作れません)。
動的検索広告(サイトの内容をもとに広告を出す仕組み)のキャンペーンの自動アップグレードは、2027年2月からに延期されました。
関連記事:レスポンシブ検索広告の改善(Googleが作った見出しの確かめ方)/キーワードのマッチタイプの使い分け
うちのキャンペーンで、試していい?
判断の物差しは、許容CPA(1件にいくらまで広告費を使えるか)です。決まっていなければ「成約1件の粗利 × 問い合わせから成約に至る割合」で出します。架空の不動産仲介会社なら、仲介手数料の粗利10万円×成約率20%で、許容CPAは2万円です。
次の5つがそろっていれば、試してよい状態です。そろっていなければ、先にそこを直します。
- 入札戦略:コンバージョン数・値の最大化、目標CPA、目標ROASのどれか
- 予算:「予算による制限」が出ていない
- 計測:入札に使う件数が、自社の記録と合っている
- 採算:今のCPAが、許容CPAを下回っている
- リンク先のサイト:検索の意図ごとにページがあり、古い料金や終わった企画が残っていない
Googleは、これらの機能を効果的に使うには、コンバージョンに基づく自動入札が必要だとしています。個別クリック単価では検索語句とのマッチングは機能せず、予算による制限を受けているキャンペーンでも効果を発揮しません。
私たちの考えでは、試す価値が大きいのは、登録していない語句から件数が出ている、物件や商品のページが多くてキーワードを作り切れない、といったキャンペーンです。登録したキーワードで検索をほぼ押さえている狭い市場は、急がなくてよいでしょう。インテント マッチへの切り替えと同時に始めるのも避けます(どちらの効果か分けられなくなります)。
関連記事:「予算による制限」が出たときの判断
困る機能だけ、止められる?
止められます。Googleは全部オンを勧めていますが、守りたい条件があるなら、その機能だけを止めます。先ほどの不動産仲介会社(物件ページが数百ある)なら、次のように決めます。
- 検索語句とのマッチング:「(駅名) 2LDK 賃貸」のような組み合わせを、キーワードで作り切れない。オンにして、社名の広告グループだけオフ
- テキストのカスタマイズ:成約済みの物件ページに、古い家賃が残っていることがある。オフ(最終ページ URL の拡張も一緒に止まる)
- ブランドの除外:社名の検索は、指名キャンペーンで受けたい。社名をブランドの除外に入れる
表現の規制が厳しい業種は、Googleが作る見出しや送り先のページも、自社の広告として出ます。検索語句とのマッチングだけで始めます。見出しをピン留めしている場合、別のURLが選ばれたときと、URL の登録がオンのときは、ピン留めが使われません。
すべてオフに戻すときは、キャンペーンの設定の[AI 最大化設定]で切ります。このときブランドの除外も止まるので、社名の検索を指名キャンペーンに寄せていたなら、先に社名を除外キーワードに入れるなどの代わりを用意します。もう一度オンにすると、前と同じ設定で戻ります。
関連記事:指名キーワードの広告は必要か/除外キーワードの設定
続けるかは、どう決める?
オンにする前と後を比べるだけでは、季節や競合の変化と区別できません。[テスト]で、元の形(対照群)とオンにした側(介入群)を同じ期間に並べます。テンプレートは、[テスト]の[キャンペーンの機能と設定]→[検索キャンペーン向け AI 最大化設定]にあります。
期間中は、両方の群の予算・目標値・キーワードを動かしません。Googleは、オンにしてから除外キーワードの追加などの変更まで、少なくとも2週間待つ必要があるとしています。比べる期間は、最初の2週間を除いた2週間以上で、直近の数日は外します。
結果は、件数がはっきり増えたかと、増えた分の1件あたりの費用(増えた費用÷増えた件数)が許容CPAに収まるかで判断します。
増えた分の1件あたりの費用の例(架空の不動産仲介会社、許容CPA 2万円)
| 群 | 費用 | 来店予約 |
|---|---|---|
| 対照群(元の形) | 30万円 | 30件 |
| 介入群(オン) | 36万円 | 35件 |
| 増えた分 | 6万円 | 5件 |
増えた分は6万円÷5件=1.2万円で、許容CPAの2万円に収まるので、続けてよいと判断します。差が小さければ判断を保留し、介入群のCPAだけでは決めません。
許容CPAを超えたら、AI 最大化設定のレポートで、費用の大きい語句やページを探します。検索語句レポートの[検索語句と広告の組み合わせ]で語句・見出し・ページを並べて見られ、ランディング ページ レポートの[選択方法]列で、Googleが選んだページかが分かります。除外や機能の停止で絞ってから、もう一度テストします。
関連記事:Google広告の「テスト」の使い方(分け方・期間・判定)/検索語句レポートの見方/P-MAXと検索広告の使い分け
よくある質問
完全一致で登録した語句の検索も、AI 最大化設定に取られますか?
検索語句と同一の完全一致キーワードがあれば、原則それが最優先です(予算による制限などの例外あり)。キャンペーン単位のインテント マッチの設定から移ったキャンペーンでは、インテント マッチのキーワードが完全一致と同じには扱われなくなります。必ず受けたい語句は、完全一致で登録しておきます。
テストの結果が良かったら、どう反映しますか?
テンプレートのテストは、終了後に[テスト]の表で[適用]を選ぶと有効になり、適用しなければテスト前の状態に戻ります。自動で適用する選択肢もありますが、増えた分の1件あたりの費用を見てから適用します。
補足と出典
- 不動産仲介会社の例は、説明用の架空の数字です。試す価値の見分け方、テスト中の除外と比べる期間、ほかのキャンペーンの分の差し引き、合計の行の使い方、絞ってから再テストする手順は、私たちの考えです
- テストは、テンプレートのほかに、[最適化案]に出ることがあるワンクリック テスト(選ぶと50%ずつのテストが作られる)と、キャンペーンのコピーで比べるカスタムテスト(50%と Cookie ベースの分け方が勧められている)でも作れます。テンプレートのテストでは、介入群だけ一部の機能を止めることもできます
- テキストのカスタマイズがオンのキャンペーンでテストを作るためにオフにすると、ブランドの除外も止まります。すべてオフにすると、URL の除外と登録は無視され、テキストのカスタマイズのアセットは「削除済み」になって配信されません
- テスト中も、明らかに関係のない語句は両方の群に同じ除外を入れます。テンプレートのテストならそのキャンペーンに、カスタムテストなら元のキャンペーンに入れれば、同期(初期設定でオン)でテスト側にもコピーされます
- テストの差には、指名・ほかの検索キャンペーン・P-MAXから移った件数も入りえます。それらの件数が期間中に減っていれば、その分を差し引きます。キーワード レポートの「合計: AI 最大化設定の拡張一致」などの合計の行は、ほかのキーワードでも取れていた分を含むことがあるので、続けるかの判断ではなく、直す語句やページを探すのに使います
- トラッキング テンプレート(計測用にURLへ情報を足す設定)を使っているなら、オンにする前に {lpurl}(送り先のURLが入る位置を示す記号)の書き方を確かめます。固定のURLだと拡張したページに送られず、決まった形以外では404エラーになることがあります
- 動的検索広告のキャンペーンは、設定の[動的検索広告]の案内から、先に自分でアップグレードもできます。テキストのカスタマイズを使うなら、生成された文のうち事実と違うものは削除し、送りたくないページは[URL の除外を追加]から外します
- 自動アップグレードの時期は、Googleの発表(英語、2026年6月11日更新)とヘルプによります
- 出典(いずれもGoogle 広告 ヘルプ):検索キャンペーン向け AI 最大化設定について、動的検索広告について、検索キャンペーン向け AI 最大化設定の仕組み、AI 最大化設定テストについて、パフォーマンス レポートの指標で AI 最大化設定を最適化する、検索キャンペーン向け AI 最大化設定をセットアップする、Google 広告アカウント内での広告グループとアセット グループの優先順位付けについて、検索キャンペーン向け AI 最大化設定に関するよくある質問、カスタムテストを設定する、検索キャンペーンの最終ページ URL の拡張について、P-MAX キャンペーンや検索キャンペーンにブランドの除外を適用する、検索キャンペーンのテキストのカスタマイズについて
- 出典(Google の発表):Google's Dynamic Search Ads are upgrading to AI Max
AI 最大化設定の使い方を、第三者の目で確認しませんか
株式会社シンビは、福岡を拠点に、運用型広告を中心としたWebマーケティングを支援しています。運用の代行だけでなく、可能な範囲でインハウス化の支援もお引き受けしています。
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